初期費用だけでは計れない、EVを持つという意味

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意外と掛かる200Vへの変更工事

200Vコンセントに変更するのはタダではない。通常家庭用は100 Vだが充電時間を考えると充電時間が半分で済む(7~8時間)200Vに変更したいが、オール電化住宅などの対応住宅を除く住宅だと新規工事で7~10万円ほど掛かる。車両代や税金などの初期費用と同様とみなしたとしても決して小さい額ではないことは知っておこう。ちなみに現在日産リーフに適用される減税分19万1300円の約半分は持っていかれる計算になる。

次にバッテリーの耐久性(寿命)について考えてみよう。
エンジンの場合だと、半永久とまではいかないまでも一定のコストを掛ければメンテ、リペアすることで相当年使用できることが証明されている。EVの場合は他の部分は無事でもバッテリーがダメになれば、これを交換しない限り走行できない。となると高価なバッテリー寿命は大いに気になるところだ。

一説によると、
バッテリー寿命は定説では、従来までEVはニッケル水素電池等を使っていたので、メモリー効果で容量は使用中に減少し、車検ごとのバッテリー交換を強いられるのが実情だった。これではとても実用に適わない。

携帯電話やPCのリチウムイオン電池だと1年くらいで性能が半減してしまうのが一般的理解だ。同じリチウムイオン電池でも、モバイル機器用と自動車用では正極の材料が異なる。
モバイル用は自動車用の倍くらいの性能を持つが(質量あたりの容量が大きい)、軽量化のために電解液の量を少なめに設計してある。それ以上にほぼ毎日充電するという過酷さがある。モバイル機器用は500回程度で新品の60%くらいまで性能が落ちる。つまり1年半くらいでバッテリー交換に近い状態になるのだ。

自動車用は、一般にマンガン系の正極を採用する。これは性能面ではやや不利ながら、安全性、コスト、寿命で有利だ。電極の違いもあるが意図的に性能を落として余裕を持たせているから、仮にEVに携帯電話の電池使った場合2倍近い距離を走れることになる。となると、理想的な状態であれば3000回の充放電がEVバッテリー寿命の一つの目安となる。東芝のSCiB(酸化物系新材料などを採用)電池の場合だとなんと6000回の寿命を持つとも言われている。
つまり、その寿命を少なめに半分に見積もって1500回とすると、1回の充電で100キロ走るとして15万キロは大丈夫ということになる。さらに東芝SciBだと30万キロということになる。
ここまでくればEVバッテリーへの不安はほぼ解消されるだろう。とはいえEVの今後は新車ばかりではなくなるから、引き続きバッテリー価格の低価格化は大きなテーマになるだろうし、使用済みバッテリーのリユース、リサイクルも大きな課題となるだろう。

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