EV走行コストは夜間割引を利用すればガソリン車の4~5分の1
車両購入費を除く、いわゆるランニングコストについて改めて考えてみたい。
韓国の例だと電費はガソリン代の16~25分の1という計算になるが、これはいささか極端すぎる。韓国の電気代は「政策的料金」という位置づけで料金が低く抑えられている。独占企業である韓国電力は政府の出資比率が51%という半国営会社であることが電気料金抑制を可能にしていると資源エネルギー庁では分析している。が、反面で日本は高過ぎるという指摘もあり、どうも管轄官庁のエクスキューズのようにも思えてならない。
電気料金の計算式は、
基本料金+電力使用量料金+燃料費調整額+消費税=電気代となる。
燃料費調整額とは発電燃料の価格に応じて課金される。本来は金額が小さいのでほとんどカウントする必要がなかったのだが、原発の関係で過大に石油や天然ガスに依存している実態の中、この料金値上げが取り沙汰されている。あくまで使用料金とは別だてになっているとはいえ、利用者にとって名目はどうであれ電気代には変わりない。
日本では、夜間料金割引の「おトクなナイト8」など5種類のタイプ(東京電力の場合)があり、何が自分に一番適しているかをカスタマーセンターに相談して十分吟味したい。夜間割引があるからといって、昼間はその分割高になるから慎重に対処するべきだ。
一例だが、EV使用電気料金の割り出し方は、
1kWh当たり電気使用料×車両の電池容量となる。一つの目安として、仮に夜間おトクプランを使い夜間に満充電したとすると1回当たりの電気使用料金は、
- 日産リーフでは約8円(*昼間は約26円)×24kWh≠192円(*624円)
- 三菱i-MiEVでは同額×16kWh≠128円(*416円)となる。
ただし、電気の「見える化」を施さないと充電でどれだけ使ったかは分からない。電気料金は使用量一括で内容明細まで記されていないからだ。
満充電でリーフが100キロ、i-MiEVが80キロ走ったとすると、キロ当たりでは前者が1.9円~6.2円、後者が1.6円~5.2円となる。
最新の低燃費車が実質20km/ℓとして比較すると、目下高騰により価格不安定なガソリン価格を仮に150円/ℓとすれば低燃費車のキロ当たりは7.5円となる。
つまり、EVは最新の低燃費車に対して夜間割引を利用すれば4~5分の1程度となるが、昼間の充電だと半分にも満たないということになる。ましてや韓国の16~25分の1には遠く及ばない。