パーソナルモビリティを「モーターショーの華」で 終わらせていいのか!

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法規制とは何のためにあるのか、考える時がきた

i-REAL 人の動きに近づけ、豊かな生活を実現するためにトヨタが開発したパーソナルモビリティ。従来のクルマ開発の既成概念を超え、人が移動するために本当に必要な機能は何かを、自由な発想で設計した。もちろん動力は電気で1回の充電で走行可能な距離は30キロという。可変ホイールベースのフロント2輪、リヤ1輪という3輪構成は歩行者やクルマとの共存を考えた結果のスタイル。 歩道ではホイールベースを短くして視線の高さを歩行者にあわせた移動体とし、車道ではホイールベースを長くして重心を下げ、安定感ある高速走行を可能とする。ある意味、現状の道路交通環境を考慮したパーソナルモビリティと言えるだろう。(出典:トヨタ自動車)



KOBOT 医薬品の興和とロボットメーカーのテムザックの協業メーカーが興和テムザック(社名を「KOBOT」に変更する予定)だ。1人乗り3輪の「KOBOT ν(ニュー)」と「KOBOT β(ベータ)」は後輪が自由に動き、駐車時のフットプリントを最小化するため、“伸縮折りたたみ機構”を実現できた。乗車するときは、スマートフォンからの操作で走行モードに“変形”する仕組みだ。同社によると想定マーケットは観光地向けのレンタカーや地域住民で共有するカーシェアリングという。試算ではコンセプトモデルはフル充電で30キロ程度の走行が可能。2012年に試作車を作り、秋には販売を開始する計画だが、課題の1つが法制上のカテゴリー分けだという。3輪タイプだと現状のままでは“ミニカー”カテゴリーに区分されるからだ。(出典:興和テムザック)

「UNI-CUB」は日本科学未来館での実証実験から始めるが、セグウェイジャパンでは現状では業務用に的を絞り、街づくりや観光用のツールにセグウェイを活用する戦略だ。実際、長崎のハウステンボスや北海道の十勝千年の森で始めたガイドツアーが注目され、こうした地道な活動でパーソナルモビリティへの理解を促し、普及期を睨んでいる。

なぜならパーソナルモビリティには道路交通法などさまざまな法的な規制があるからだ。
公道では電動車いすと同じ扱いとするものは時速6キロが上限となる(歩行者と同じ扱い。運転免許証は不要。電動シニアカーも含まれる。「UNI-CUB」も6キロとなっているから同一カテゴリー)。
また1人乗り3輪以上のミニ(マイクロ)カー(普通自動車運転免許証、ミニカー限定免許証が必要)は原動機付き自動車に区分され、法定速度は時速60キロだ。
そして2人乗り以上4人乗り以下とすれば軽自動車と同等扱いとなり、高速道路も走れることになるから衝突安全性などの厳密な構造強度が要求される。
そこで、昨年2月に“ミニカーと軽自動車の間”に位置する超小型モビリティ・カテゴリー(2人乗り、高速道路走行不可)の法制化を検討するという発表があったがどうも遅々として進んでいない。どの事業者、研究者も法改正からが普及期と静観するしかないのが実情だ。

つまり、個体や動力の大小、乗車人数の数、構造強度の内容などで自動車は区分され、その内容によって税制と免許証の有無が決まる。免許の有無に関わらず道路上の監視は警察が担うというのが現状の構図と仕組みだ。

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