日本ガイシは、LED(発光ダイオード)光源の発光効率をこれまでの2倍に高める高品質な窒化ガリウム(GaN)ウエハーの開発に成功した。今回開発したGaNウエハーは、同社独自の単結晶育成技術である液相成長法を用いることで、ウエハー全面にわたる低欠陥密度と無色透明の両立を実現している。社外の研究機関の協力を得て、同社GaNウエハー上にLED素子を作製し、発光性能試験を実施した結果、世界トップレベルの約90%の内部量子効率(注入電流200mA時)を達成した。市販されているLED光源の2倍の発光効率(200ルーメン/W)を実現でき、消費電力の50%削減や発熱の抑制による長寿命化、照明器具の小型化が可能となる。同社は今年度、「ウエハープロジェクト」を設立し、ウエハー関連製品の早期事業化を目指す。今後、液相成長法では世界初となる直径4インチのGaNウエハーのサンプル出荷を今年中に開始するとともに、耐電圧が高く、高周波動作が可能であるなどの特性を生かして、ハイブリッド車や電気自動車用パワーデバイス、無線通信基地局用パワーアンプ向けウエハーの市場を狙い、さらなる欠陥密度の低減と大口径化(直径6インチ)の実現に向けて開発を加速していく。
日本ガイシ、超高輝度LED光源用窒化ガリウムウエハーを開発(プレスリリース)