富士経済は、世界各国で進められているスマートグリッドの取り組み状況や今後の方向性を把握する調査を行った。その結果を報告書「2011 ワールドワイドスマートグリッド構築実態調査」にまとめた。この報告書では、先行する海外の先進事例をはじめ、システム・機器メーカー30社、電力事業者28社、その他各国・各州の政府(政策)27地域のスマートグリッドへの取組み事例を分析し、世界のスマートグリッドの実態と方向性を提示するとともに、スマートグリッド関連市場の現状を分析し今後を予測した。世界的なブームとなったスマートグリッドも、プロジェクトの進展とともに課題が明確化され、具体的な成果が求められつつある。スマートグリッドの方向性としては、風力や太陽光などの再生可能エネルギー導入に対する系統安定化対策と一般家庭を含めたエネルギー利用の効率化に集約されてきている。先進国ではすでに再生可能エネルギー導入拡大への対応や、業務施設や家庭での需要の制御、太陽光発電やコージェネレーションなどで消費者が能動的にエネルギー市場に参加するためのアプリケーション導入へ重点が移っている。一方、新興国では人口増加や経済発展に伴い、送電線の敷設や配電網の近代化などのエネルギーインフラの整備が必要となっている。しかしその中でも先進国と同様に再生可能エネルギーなど環境負荷の低い電源の導入や国家間を超えた電力融通などが求められており、スマートメータなどがその手段の一つとして導入されつつある。
富士経済、世界のスマートグリッドの実態と関連市場の調査結果を発表(プレスリリース)