富士通研究所は、業界で初めてスマートシティへの展開に向けたピーク電力削減技術を開発した。従来はビルや家庭に配置された蓄電池を電力使用量のピーク時に放電して、それ以外の時間帯でユーザーごとに充電することで、ピーク電力削減に対応してきた。しかし、この場合、蓄電池に充電する時間帯が偏って、ピーク電力を逆に増加させる危険性があった。同技術ではオフィスや住宅街などの使用電力や、そこに分散配置された蓄電池の残量、使い方などの情報をクラウド上に収集し、クラウド上から蓄電池を統合制御することで、ピーク電力を効果的に削減する。その際、複数パターンの需要予測とユーザーの使い方を考慮した充放電スケジュールを計画するため、ユーザーの使い勝手を損なわずにさまざまな電力需要の変動に対応させることができる。今回、同技術をオフィスに分散して多数存在するノートPCの内蔵バッテリーの充放電制御に適用したところ、オフィス全体のピーク電力を約10%削減させることに成功した。今後は、スマートシティへの展開を目指し、安定した電力社会を実現していく。
富士通研究所、スマートシティへの展開に向けたピーク電力削減技術を開発(プレスリリース)