四半世紀前に造られたポンコツ車が優雅な木目の電気自動車に――。ものづくりで知られる広島県府中市の技術者が、廃車を改造し、電気で動く木目調の「電木」自動車を半年がかりで完成させた。10月9日に試走会を開き、市民に乗り心地を楽しんでもらう。手がけたのは、同市栗柄町の家具資材会社「広島銘木産業」常務の佐藤嘉洋(よしひろ)さん(48)と、知人で同市中須町の自動車販売整備会社「高端(はし)自動車」社長の高端誠さん(38)ら。今年1月、「金属の車に木板を貼ってみようか」と遊び心で始めた。土台にしたのは、廃車になった高端さんの軽乗用車(1985年製スバル・レックス、550cc)。車体の外側に、家具や建材の資材「ツキ板」を貼った。家具などの仕上げに使う薄い化粧板で、アイロンと接着剤を使って佐藤さんが貼りつけた。10種類の柄により、茶色の木目が浮かんだ。前部のガソリンエンジンを取り払い、同市府川町のモーターメーカー「ツシマエレクトリック」から提供された電気自動車用モーターを設置。後部座席部分に、動力源の電気バッテリー8基を据えた。知人の塗装業者の協力で、車内も家具のような雰囲気に塗装した。夏に車検を取得。テスト走行すると最高で時速80キロが出た。 佐藤さんらは、見た目と動力源から電木自動車と名付けた。
電木自動車、木目美し 廃車の軽を半年かけ改造 広島(朝日com)