GMが11月に発売予定の新型電気自動車「シボレー・ボルト」について、エンジンがあるのに電気自動車(EV)と主張するのはおかしいと、ウォールストリートジャーナルなど多くのメディアが批判し、当事者であるGMが発売直前になってその火消しにやっきになっているという。
確かに「ボルト」は当初「EV」というカテゴリーでリリースされたが、バッテリーへの充電用に1.4?エンジン(バイオ混合も選べる)を搭載することから「ハイブリッド」とも呼ばれ、明確なインフォメーションのないまま発売の時期を迎えてしまった。
海外メディアが、主にどういう理由から『目くじら』をたてているかの詳細は分からないが、
- どうやら「高速走行時などはエンジンの駆動力も車輪に伝え、走行を補助する機能を備えているという」あたりが、
- シボレーのリリースによると、「最初の40マイルまでは完全充電されたリチウムイオン電池パックにより、電気モーターが駆動する。走行中は制動時(回生ブレーキを搭載)に得られたエネルギーが電気に変換され、電池パックに蓄えられる仕組みになっている。バッテリー充電量が最低レベルまで減少すると『レンジエクステンダー』モードへとスムーズに切り替わる。レンジエクステンダー・モードではフレックス燃料で駆動する小型エンジン発電機が作動し、クルマを最適な速度で走行させながら、最低限の走行条件に必要な電気モーターの駆動電力を生成する」となっている。
要するに、エンジンは純粋に発電・充電用とうたっているのに、実際は走行時も駆動アシストしているから最初の話しと違う! 矛盾している、ということらしい。
結論を言いましょう。シボレー・ボルトは、
- いわゆるEV(この場合、リーフのようなピュアEV)とは違う。
- 2系統以上の動力源を持つから、ハイブリッド車と呼べる。
- 家庭電源などから充電できる機能を持つからプラグインハイブリッド車でもある。
- ウィキペディアによれば、レンジエクステンダー(航続距離延長装置)式電気自動車(シリーズ方式のプラグインハイブリッド車)としている。
つまり、シボレー・ボルトは従来にはなかったレンジエクステンダー機能を持つ世界初の量販車なのだ。そしてその技術は今後最も注目されるもので、例えば発電・充電用エンジンをガソリン以外の100%バイオ系などが使用されれば、ゼロエミッション+カーボンニュートラルが実現するという理屈だ。日本と違い1回当たりの走行距離が長いアメリカの現状からすれば究極の技術の草分けであり第一歩と言ってもいいだろう。
最初から「レンジエクステンダー」を丁寧に説明し、技術的に当初はエンジンにも一部走行時にアシストさせるが、段階的に発電・充電機能だけにしていく、とうたっていれば何の問題もなかったと思うのは私だけでしょうか・・・・。