プラグインHV vs レンジエクステンダーEV旋風か!?

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マーケティング調査会社のハイエッジのリリースによると、世界のHV/EV市場は、2010年が92.6万台⇒2012年が309.4万台⇒2015年が708.4万台⇒2020年が1307.7万台=14.1倍(対2010年比)と予測している。

同様に売り上げ規模は、バッテリー・コストが軽減されていくのにもかかわらず、2010年が2兆3200億円(ハイブリッドのみ)⇒2015年が23兆8500億円⇒2020年が44兆7750億円=19.3倍(対2010年比)と、やはり予測している。

では、10年で台数が約14倍、売り上げが約19倍に増えるとされているHV/EVには現在どのようなバリエーションがあるのだろうか。改めて見てみると、それぞれ現在では3タイプずつ展開されていることが分かる。

それぞれ3タイプが市場展開

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ハイブリッドモデル

タイプ 特徴と主な車種
フル(ストロング)ハイブリッド 電気モーターでの走行も可能にするハイブリッド車。トヨタ・プリウスなど。詳しくはトヨタのHPで。
マイルド(アシスト)ハイブリッド 電気モーターだけでの走行はしないが、エンジンとミッションの間のモーターがアシストすることで、燃費や性能に貢献する。メカがシンプルなためコストを抑えるメリットがある。ホンダ・インサイトなどホンダ・ハイブリッド車すべて。詳しくはホンダHP
プラグインハイブリッド 自宅や充電施設での充電ができるハイブリッド。短距離なら電気モーターだけの走行が可能で、ガソリンなどの化石燃料消費の大幅削減が期待できる。次世代型プリウスに搭載。詳しくはトヨタHP

現状ではハイブリッド市場はトヨタ・プリウスの独壇場の感があるが、ホンダもフィット・ハイブリッドで巻き返しを図るだろう。また、マツダもトヨタから供給されるハイブリッド・システムをデビューさせるから、フルとアシストが入り混じった空前のハイブリッド車ブームが起きるだろう。つまり、数年はハイブリッドタイプが増えていくだろうが、2012年以降にはトヨタからプラグインハイブリッドが投入され、ハイブリッド車へのユーザーの認知度はさらに加速し、HV/EV市場のけん引役になっていくことは間違いない。

EVモデル

タイプ 特徴と主な車種
ピュアEV 文字通り電気モーターだけで走るゼロエミッションタイプ。電池性能、インフラやインホイールモーターなどの技術革新、またEVならではのシチュエーションを模索することなどが今後の課題。三菱i-Miev、日産リーフ、テスラ・ロードスターなど。
レンジエクステンダーEV 充電用のエンジンを搭載するタイプ。走行時は電気モーター。プラグイン機能を持つがGMシボレー・ボルトがこれにあたる。コンセプトカーのアウディE-Tronは主にモーター走行だが、エンジン(ディーゼル)走行も可能と言われている。
燃料電池(フュエルセル)EV EVのジャンルでもハイブリッドのジャンルでも間違いではなく、一般的には「燃料電池車」として確立されている。ホンダFCXクラリティやトヨタFCHVがある。環境面などほとんどの部分で理想的なシステムだが、製造コストが大きな壁となっている。
シボレー・ボルト
シボレーのリリースによると、シボレー・ボルトの場合、最初の40マイルまでは完全充電されたリチウムイオン電池パックにより、電気モーターが駆動する。走行中は制動時(回生ブレーキを搭載)に得られたエネルギーが電気に変換され、電池パックに蓄えられる仕組みになっている。バッテリー充電量が最低レベルまで減少すると「レンジエクステンダー」モードへとスムーズに切り替わる。レンジエクステンダー・モードではフレックス燃料で駆動する小型エンジン発電機が作動し、クルマを最適な速度で走行させながら、最低限の走行条件に必要な電気モーターの駆動電力を生成する。となっている。

事実上、2010年はEV元年と言っても過言ではないが、いわゆる純粋(ピュア)なEVは、国内向けの量販車としては三菱i-Mievと今年12月に日米で発売される日産リーフしか現時点では存在しない。この2車(2社と言った方が適切かもしれない)がけん引役となって、話題を呼ぶだけではなく、インフラを含めた周辺環境も激変することだろう。

そして、2012年にはテスラと提携したトヨタが自社製とテスラ製を販売する時がやってくると、いやがおうでもピュアEV市場は盛り上がっていく。

さらにシボレー・ボルトのGMもだまってはいないだろう。このクルマはレンジエクステンダー(航続距離延長装置)EVでは初の市販車だからだ。一説によるとリッター換算で100km走るといわれているから、大きな話題を呼ぶに違いない。

果たして主流になるタイプは何なのか。いずれにしてもHV/EVの技術&アピール競争の幕は切って落とされた。国内外の自動車メーカーと関連メーカーは、この大きな転換期とどう向き合っていくか。まさにそこが問われていく10年になるのだろう。

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