大容量のバッテリーを搭載せず、道路から得た電力で電気自動車(EV)を動かす──。そんな電車にも似た新発想のEVシステムの実験が、豊橋技術科学大学で進んでいる。「電化道路電気自動車(EVER)」と名づけられたこのシステムは、路面に埋設した金属板に高周波電流を流し、タイヤに埋め込まれたスチールベルトを使って、クルマのモーターを動かす仕組みだ。タイヤのゴムは電気を通さないが、高周波電流は電波の性質を持つため、離れていてもエネルギーを送ることができるのだという。高周波エネルギーは非接触型の充電器などで、すでに実用化されている技術だ。次世代カーとして大きな注目を集めるEVだが、一度の充電で走行できる距離が短かったり、充電に時間がかかったりするなど、普及に向けての課題は多い。同システムなら、走行中にダイレクトに電力が供給されるため、バッテリーは不要だ。5年後の実用化を目指しているという。
【注目の新技術】路面から得た電力で走るEVシステム「電化道路電気自動車(EVER)」(@DIME)