Walk Don’t Run 2012

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「どうなる!EVみらい」を、たまにでも頻繁にでもご高覧いただいている皆様、新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

さて、年頭から堅苦しい始まりで恐縮ですが、本サイトのメディア・ウオッチングで2011年に選択したニュースを整理してみますと1660本あまりのEV関連ニュースをピックアップしていたことが判明しました。1日当たり4.5本強ということになります。この1年、EV周辺の報道や論調は量、質とも多彩をきわめたということです。
新年のご挨拶ということで「です・ます調」はここでまでとさせていただきます。

2011年1月3日付け朝日comの「大衡村の一大自動車プロジェクト」の記事は、まさに2011年を象徴するような悲喜混交の出来事だった。
宮城県大衡(おおひら)村にくるセントラル自動車、同県大和町のプライムアースEVエナジーによる宮城県の経済効果を七十七銀行が年間5073億円と試算した、という記事である。その後、3.11大震災が起ころうなどとは企業も銀行も夢にも思わなかったであろう。が、現実はどなたもご存じのとおりの結果である。
3.11をきっかけに日本中の誰もが「真の転換」を意識したに違いない。地震、原発、放射能などの報道、論調は枚挙に暇がないほど膨大だが、新年にあたり少し違う視点で「日本の、そして次世代モビリティ」の転換点を考察してみた。

下山の思想(幻冬舎新書)五木寛之著。777円(本体価格 740円)。どんなに深い絶望からも人は起ちあがらざるを得ない。すでに半世紀も前に、海も空も大地も農薬と核に汚染され、それでも草木は根づき私たちは生きてきた。しかし、と著者はここで問う。再生の目標はどこにあるのか。再び世界の経済大国をめざす道はない。敗戦から見事に登頂を果たした今こそ、実り多き「下山」を思い描くべきではないか、と。「下山」とは諦めの行動でなく新たな山頂に登る前のプロセスだ、という鮮烈な世界観が展望なき現在に光を当てる。成長神話の呪縛を捨て、人間と国の新たな姿を示す画期的思想。(出典:幻冬舎hp)

上にいくより難しい、下る技術の大切さ

五木寛之著の「下山の思想(幻冬舎新書)」に、今後の日本が目指すべき一つの姿を垣間見た気がする。
「山に登り、頂上に辿り着くと、次は下山するしかない。上る時よりも下る時の方が気を抜きやすいので危ない場合もあるだろう。気を引き締めていないと大変なことになってしまう。いつも上っていないと前向きではないとか成長していないなどと考えるなら、それは大きな間違いだ。むしろ、今の日本は下り道を如何に上手く下っていくか、それが問われている」と、五木巨匠は説く。

巨匠から指摘されて初めて気付く、というのも凡人がゆえであるが、どうやらこれから日本が進むべき姿とは、
頂上の上に頂上はないのだから、もう頂上(上)だけ見て上ることはやめよう。下山しながら頂上以外の周りを見て、別のこと(これからの時代が求めるコトやモノ)をじっくり考えよう。おそらく、GDPは世界何位でなければいけないといった先入観、強迫観念を一度捨て、従来型の経済成長一本槍の基準にはない何かをみつけ、次の日本らしさを求めていこう・・・、ともとれる。

S・ジョブズ曰く「ハングリーであり続けろ。愚かであり続けろ」

世界中から惜しまれて昨年命を絶ったアップルの総帥S・ジョブズ氏について、暮れに放送された「カンブリア宮殿」(TV東京)に出演した元ソニーCEOの出井伸之氏が正直な気持ちとして「ジョブズ(出井氏とも親交があった)がやったことを、なぜソニーがやらなかったか、そこが悔しかった」と述懐していた。
果たして出井氏ほどの人物をもってしても悔しがらせたS・ジョブズ氏とは・・・? アップルの作品群に内包される彼のスピリットにこそ、日本が向かうべき何かのヒントがあるのではないか。

S・ジョブズ氏の言葉を借りると(出典:スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での卒業式スピーチより)、
「先を見通して点をつなぐことはできない。振り返ってつなぐことしかできない。だから将来何らかの形で点がつながると信じなければならない。直感、運命、人生、カルマ、その他何でも。この手法が私を裏切ったことは一度もなく、私の人生に大きな違いをもたらした」
さらに、「偉大な仕事をする唯一の方法は自分がしていることをたまらなく好きになることだ。まだ見つけていないなら探し続けなさい。妥協は禁物だ。核心に触れることはすべてそうであるように、それを見つければ分かる。そして素晴らしい関係は常にそうであるように、それは年を経るにつけてどんどん良くなっていく。だから見つかるまで探し続けなさい」
そして、「ハングリーであり続けろ。愚かであり続けろ」と締め括っている。

おそらくは、日本が高品質なモノ作りに長けていることはもはや当たり前で、その先にある何かをみつけ出さない限り日本の明日はない、という警鐘にもとれる。
S・ジョブズ氏の言葉から窺える「時代」作りの秘訣とは、
妥協をしないで何か(おそらく信念)を信じ、たまらなく自分の仕事を好きになり(種類ではなく、取り組む情熱とプライド)、愚かで(額面どおりの愚か、という意味ではないだろう。おそらく日本語だと愚直ではないか)あり続ける、ことにあるようだ。
いささか乱暴だが、大胆にも五木巨匠とコラボするとすれば、加えて、従来の成長神話にとらわれない、そして新たな目標を作って行動しよう、ともとれる。

石油元売りがEV充電設備・・・は、必然的な転換

EVを取り巻く環境は展望としては明るい。だが、これからの時代をリードする何かを深く求めていくとしたら、
おそらく未来は、生活者にとってのいいか悪いかよりも、、必要か不要かの価値観の上に立つべきだろう。そこにはS・ジョブズ氏のような直感的なイノベーションが要求されるだろうし、「下山の思想」で言うところの「別の山」もみつけなければならないだろう。

ダイハツPICO 昨年の東京モーターショーに出展されたきわめて現実的でスタイリッシュなタンデム2人乗り超小型モビリティ。高齢者使用を高い次元で捉えたあらゆる仕掛けが目を引くが、なんといっても車幅が1000ミリしかないところに注目したい。幅をとらないということは道路の占有率や頻度も抑えられるわけで、実効性に伴った法的なアドバンテージや配慮があってもいいのではないかと。ちなみに1200ミリ以下とすると、日産New Mobility CONCEPTのスペックとも合致する。ちなみに法規上の全幅は小型自動車が1700ミリ以下(1960年、道路運送車両法改正で)、軽自動車が1480ミリ(1998年、規格改定)である。(出典:ダイハツ工業)

2012年、夢見るEVみらいは・・・(フィクションなのでご注意を)。

  • 201×年、石油元売り4社は本格的な充電設備の共同実証実験を開始した(ここだけは事実)。これと並行して急速充電の給電所要時間、省電技術、オペレーション技術が飛躍的な進化を遂げ、同時に20年後を見据えた革新的な走行時非接触充電整備への道筋も確立され稼働した。
  • 201×年、2人乗り超小型モビリティの購入にあたり、再生可能エネルギー(電気を含む)パワーユニットの車両に限り、1世帯単位での2台目購入に限定した自動車関連税をすべて免除とした。
  • 201×年、全幅1200ミリ以下の超小型モビリティに限り、特定の条件と地域、場所に限定した「公道駐車可能」無料エリアの実証試験始まる。これは地域主権を提唱する◎◎市が独自の構想に基づいて実施するもので、他県、他市からも高い注目を浴びている。さらに実験実施地域が広まりそうな気配だ。
  • 201×年、中古車販売大手の○○が、本格的EVコンバージョン事業に乗り出す。ベース車両のメンバー構造にほとんど関係なく柔軟に対応できるインホイールモーター・シャシーユニットが☆☆との共同開発で実現したため。普及版の△△EVコンバートから、特別仕様として60年代の□□をEVコンバートした「レジェンド・クラシックスEV」が話題を呼びそうだ。

あいも変わらず、この国では潜在的な可能性があったとしても、実質的な規制緩和を推し進める気配などほとんどない。
が、このままでは企業の空洞化は加速し、減り続けるであろうEVも含めた国内自動車需要のパイを増やすことは絶望的となり、「別の山」とも言える未来のモビリティ社会を飛躍、促進させることも困難となるだろう。
エコカー減税や補助金がまったくダメとは言わないが、もうそろそろ「応急処置」から完全に脱却した策を講じる時ではないだろうか。
そのカギを握っている大きなファクターの一つがEVを中心としたスマートモビリティ・テクノロジーだと思うのですが、いかがですか皆さん!

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