2011東京モーターショー直前情報のトリを務めるのは世界のトヨタ。同社からモーターショー概要がリリースされたのは11月15日だった。すでにリリースされているマツダの目玉出展車もここで紹介するが、両社に共通していることが一つある。それは「現実性」だ。
華やかなコンセプトカーやショーモデルは、もちろん「夢の提供と発信」として大切だが、あえて両社は「リアル路線」でモーターショーと取り組む姿勢を見せているように感じた。
もしかすると、それこそが「時代」なのかもしれない。
トヨタFT-EV III(世界初出展)
近距離移動を睨んだ“超小型軽量パッケージ”の電気自動車コンセプトカー。文字通りのトヨタ版超小型EVモビリティとも言えるだろう。お気付きのとおり「トヨタiQ」のコンポーネンツを多用していることが分かる。トヨタでは、近距離移動に適したクルマとして2012年の市場導入を目指しEVの開発を推進してきた。リチウムイオン電池を搭載し、一充電あたりの走行距離として105kmを想定している。全長×全幅×全高(mm)=3110×1680×1500。ホイールベース2000mm。(出典:トヨタ)
トヨタFCV-R(世界初出展)
実用性の高いセダンタイプの次世代燃料電池自動車コンセプトカー。水素はあらゆる原料から作ることができ、貯蔵・輸送が可能な有力なエネルギーで、トヨタは水素を燃料とし、走行中の排出ガスやCO2を出さない燃料電池自動車(FCV)の開発・導入を以前から推進してきた。目標は2015年頃からの市場導入を睨んでいるという。専用ボディの床下にFCユニットを配置することで、広い荷室空間と4名乗車を可能とした。70MPaの高圧水素タンクを搭載し、燃料電池スタックの効率向上により航続距離は約700km(JC08モード走行。社内測定値)以上を達成するという。全長×全幅×全高(mm)=4745×1790×1510。ホイールベース2700mm。(出典:トヨタ)
トヨタFun-Vii(世界初出展)
ヒトとクルマと社会が“つながる”未来の姿を具現化したコンセプトカー、ということだが、写真もリリースもここまで。トヨタが提唱する「“つながる”未来」は、是非ともモーターショーにきて直接感じ取ってほしい、ということだろう。
トヨタAQUA(世界初出展)
「圧倒的な低燃費」、「使いやすさ・楽しさ」、「求めやすい価格」を追求したコンパクトクラスのハイブリッド専用モデルがAQUAだ。まさにコンパクトカーの未来をひらく、圧倒的な低燃費35km/L(JC08モード走行)[40km/L(10・15モード走行)]程度を達成。4mを切る全長で取り回しの良いボディは、全高を低く抑えることで空力性能を高めるとともに、軽快なフットワークを可能とする。1.5ℓエンジンと高出力モーターを組み合わせた最新の低重心パッケージで、「操る楽しさ」、「フットワークの良さ」を実現させる。
日本国内では2011年12月下旬に発売予定。日本での発売を皮切りに、順次世界各国での発売を予定している。日本以外の国では、「Prius C」の車名で発売する。全長×全幅×全高(mm)=3995×1695×1445。ホイールベース2550mm。(出典:トヨタ)
トヨタ・プリウス Plug-in Hybrid(日本初出展)
家庭用電源から充電ができ、電気自動車とハイブリッド車の特徴を併せ持つエコカーがプリウスPHVだ。すでに2012年初めに市販を予定しているが価格は未定。近距離はEVとして、中・長距離は通常のハイブリッド車として走行できるため、バッテリー残存量や充電インフラを気にせず走れるというのが最大のウリ。まさに文字通りの現実路線だ。トヨタはプラグイン・ハイブリッド(PHV)を「ハイブリッド車に次ぐ次世代環境車の柱」と位置付けており、官公庁や法人を対象にリースしているモデルの燃費57km/ℓや満充電でのEV走行距離23.4kmを上回る環境性能をさらに目指しているという。全長×全幅×全高(mm)=4480×1745×1490。ホイールベース2700mm。(出典:トヨタ)
マツダ 雄(TAKERI)
マツダは、新世代中型セダンを表現したコンセプトモデル「マツダ 雄(TAKERI)」を世界初公開する。今回の出品テーマは、「環境の先にある、走る歓びを~クルマを愛する人がいる限りマツダは進化し続ける」。技術開発の長期ビジョン「サスティナブル“Zoom-Zoom”宣言」のもと、マツダは環境性能とダイナミックパフォーマンスを飛躍的に向上させるSKYACTIV技術を発表した。6月に国内で発売した「デミオ」や9月からグローバル市場に導入している「アクセラ」を通じて、技術を順次市販車に採用していく。「雄(TAKERI)」は、マツダの新デザインテーマ「魂動(こどう)」をベースに、既存のセダンにはない力強く、艶やかなスタイリングを目指した。高効率かつパワフルな新世代クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」を搭載するなど、SKYACTIV技術を全面的に採用。同技術に加え、アイドリングストップ機構「i-stop(アイストップ)」や減速エネルギー回生システムといった電気デバイスを搭載し、優れた燃費性能を実現し発信していく。(出典:マツダ)