ジュネーブで開催された自動車展では、サプライヤ側から電気自動車に関するこれといった新規の発表はなく、電気自動車は愛好家とハイテク・オタクの占有物で公衆のものではなかった80年代に戻ったかのようなありさまだった。また、既存の車種にも販売で問題が生じている。オペルのAmperaはカー・オブ・ザ・イヤーを受賞したが、その姉妹車であるChevy Voltは、需要が予測を下回ったために生産休止に追い込まれた。何故か? 聞けば誰もが眉をひそめるその答えは、ガソリン燃料がずっと安くなったから、ということに尽きる。ガソリン燃料の価格そのものはこれまで以上に上昇し続けているが、歴史的に見た相対比較では、安い。エコノミスト誌のBig Mac Indexが示すように、もしガソリン料金を労働賃金との比較で見るならば、実質的な値打ちが判断できる。ドイツでは、時間あたりの平均賃金は今、30ユーロ前後である。従って平均的には、1リットルのガソリン料金は3分前後の労働に相当する。
【市場】EV足踏みの理由はガソリン価格の安さ?
カテゴリー: メディア・ウオッチング
– 2012年3月19日