中国で電気自動車メーカーの先頭を走っていた比亜迪(BYD)が売れ行き不振などから経営難に陥っている。もともとは世界的な電池メーカーだったが、電気自動車の将来性を見込んで十数年前に自動車産業に参入。一時は「期待の星」と騒がれたのだが、あまりに先を急ぎ過ぎたツケが回ってきたということだろうか。比亜迪はまずガソリン車の生産から着手した。2007年の生産台数はわずか10万台そこそこだったが、09年から一気に躍進し、年産40万台を超えてきた。設備も拡張し、年産100万台を視野に入れていた。そして満を持したかのように2010年、電気自動車「e6」をデトロイト・モーターショーに出品した。中国政府もいちはやく、電気自動車への補助制度(補助金は1台当たり最大6万元=約75万円)を打ち出し、充電インフラ作りにも力を入れ始めていた。こうしたバックアップもあって、比亜迪の「e6」は順調に滑り出すかに見えた。しかし期待はものの見事に外れてしまった。やはり価格が高く、しかも充電インフラもすぐには完成できない。かろうじて深セン市がタクシー用として購入したのが目立つ程度だった。
中国電気自動車メーカー比亜迪が失速 「期待の星」が一転、経営難に(msn産経ニュース)