むつ工業高校の生徒らが軽自動車をベースに2年がかりで改造した電気自動車(EV)をむつ市に引き渡すセレモニーが25日、市役所で行われた。既に車検に合格してナンバープレートを取得しており、公道を走行できる。努力の結晶の車を、市は電気自動車普及に向けたPR活動などに活用していく。改造EVが、ゆっくりと走りだした。引き渡し式典会場となった市役所駐車場。時折舞う雪でぬれた路面をタイヤが蹴る「シャー」という音だけが響く。エンジンの代わりに載せたモーターは、ほとんど音を立てない。工業部の部活動を通じて製作に携わった鳴海翔君(機械科2年)は「改造前の中古車のさびていた姿が、(心の中で)どこかに行ってしまった感じ」と感慨深そう。同校と同窓会、市などは「むつ市電気自動車製作実行委員会」を2011年4月に組織し、中古のガソリン軽自動車1台を改造する事業に着手。当初は1年間での完成を目指した。ところが、12年に国交省が改造EVのガイドラインを改訂し、感電防止などの対策を強化。完成間近だった車は大幅な手直しを要し、13年3月12日に車検に合格した。同校によると、ガイドライン改訂後、改造EVの車検合格は東北初。