NEDOの産業技術研究助成事業(若手研究グラント)の一環として、超電導技術を活用した液体水素利用基盤技術の開発に取り組んでいる九州大学の柁川一弘准教授は、開発した高効率の超電導ポンプシステムを用いた常圧での液体水素の移送試験に世界で初めて成功した。液体水素を貯蔵容器からタンクに移送する際、加圧排出に専門技術を有した技能者が必要だった。また圧力を利用するため無駄な工程等が生じていた。開発したシステムは電源を入れるだけで、エネルギー損失の少ない超電導モータの動力のみで効率的な液体水素の移送が可能となる。水素は、衛星打ち上げロケットの推進剤や半導体、液晶などの製造業における還元剤として利用されており、また地球環境に負荷をかけない次世代のクリーンエネルギーとして注目されている。今回の成果によって水素エネルギー社会で必須の液体水素が無駄なく、容易に利用できるようになる。
NEDOと九大、超電導ポンプシステムを開発し液体水素の移送試験に成功(プレスリリース)